猫背と首の痛みの関係

首の痛みの原因

猫背の方はまっすぐタイプや前後ズレタイプなどタイプは違えどほぼストレートネックになっています首が前に出ることで背骨の上部は頭の重さに耐えられずに丸みが強くなります。

 

頭の重さは4~6kgくらいありますのでボウリングの玉が載っていると考えてみてください。正しく首が前反りして耳の位置が内くるぶしの真上にあれば重さは分散されて首は軽いです。が、何らかの原因でストレートネックになって重心がズレていると重さの分散はされず首の筋肉でボウリングの玉の重さを支えることになります。これが首の痛みの原因です。

 

また頭蓋骨には大後頭孔(だいこうとうこう)という穴が空いていて、そこから神経や脳脊髄液が背骨に通っています。首と頭の境目が固いとこの穴がつまって頭痛がおきます。首が楽になると頭痛の方の9割以上の方が解消または頻度が激減します。

 

ストレートネックの原因

①眼精疲労による後頭部の緊張

これはまぶたを引き上げる筋肉と後の後ろの筋肉群がつながって連動していることが原因です。

目が疲れてくると後頭筋を緊張させてまぶたを開ける手助けをしようとするため、常に後頭部が緊張した状態になってしまいます。

 

後頭部の首と頭蓋骨の境目の筋肉が縮むと顎が上がって頭が上向きになりますが、目線も上向きになってしまいます。そうすると目線を下げるため首全体が前に倒れて正面を向けるように首頭を前に突き出すような状態に自動的に調整されます。パソコンをやっていると自然に画面に顔が近付いてしまう現象です。

 

現代において仕事でも遊びでも目を酷使する機会が増えていますので特にデスクワークの方の原因の割合としては多いのではと感じます。

 

②スマホやPC作業時に下方向を向くこと

ニューヨークの脊椎外科医、ケネス・ハンスラージ氏の研究では正しい姿勢と下向きの姿勢を比べた時では首にかかる重さに大きな差があることが分かっています。

ストレートネックは別名スマホ首とも言われていますが、駅のホームに立つと皆さん真下を向いてスマホを覗き込んでいる姿が並んでいます

真下を向くと頭の従来の重さの5倍近くの重さが首にかかり頚椎が前にスライドしてズレますので注意しましょう。当院で見かける重度のストレートネックの方はほぼこのタイプです。

(下記リンクはケネス・ハンスラージ氏の研究紹介記事)

https://www.huffingtonpost.jp/2014/11/25/staring-at-your-phone-all-day-is-killing_n_6216656.html

駅で皆さん並んでこの状態になっていますが実はかなり危ない姿勢です
駅で皆さん並んでこの状態になっていますが実はかなり危ない姿勢です

 

③骨盤のねじれや傾き

骨盤が前傾や後傾を起こすと全体の重心バランスが崩れて、頭の重さが支えきれなくなります。

 

日本人に特に多いのは骨盤が後傾しているケースですが背骨が後ろに傾くためバランスを取って頭は前に出ます。椅子に浅く座って背もたれを使う姿勢をとって頂ければ背中よりずいぶん頭が前にくることを実感できると思います。

ストレートネックを自力で改善する(というより悪化を防ぐ)方法

ストレートネックをなおすには上に上げた原因を取り除いていくことになります。が、実際にすでにストレートネックになってしまっている方は自力でなおすのは少々難しいです。それでも悪化を防ぐということでは下記が有効かなと思います。

 

①眼精疲労を減らす

まずは眼精疲労について、慢性的な目の疲れでは眼圧が高くなっているケースが多く見られます。目を閉じてまぶたの上から眼球を軽く押すと反発が強い側などがあります。眼圧が高いと白内障や緑内障、ひいては内臓の不調の原因ともなりますのでたかが目の疲れと思わずケアをしましょう。

 

当院では眼圧を下げる操法がありますので施術ではそちらを使っていきますが、市販の目薬やホットアイマスクなどで目の疲れを改善する手法も有効です。あまりに眼精疲労の強い方には施術中にめぐりズム(花王)の装着をお願いする場合もあります。

 

また大抵の人はピントを近くにあわせる筋肉が固いので、外出した時などに数百メートル先を見ることで緩んで目と首の後ろが楽になります。昔は遠くの山の緑を見ろなんて言われましたが、2つ3つ先の信号機あたりを見ても大丈夫です(他人や車にぶつからないよう気を付けてください)。

 

②スマホやPC作業時の首の傾きに気を付ける

スマホを見る時は真下を向かずにスマホ側を顔に近づけるようにして正面で見るようにします。やむを得ず下を向く姿勢をとる時はあごを引くようにして頭が下に落ちないようにして見ます。PC作業ではノートパソコンを使うと顔は常にやや下向きになりがちなのでセカンドモニターなどを用意して正面で画面が見れるように工夫をすることをおすすめします。

 

③骨盤のねじれや傾きを座り方で予防する

骨盤の傾きはほとんどは座る時の癖に起因しています。座る時は若干腰が前反りをするくらいの位置が骨盤がしっかり立った状態になります。脚を組んだり浅く座ると頭は前に出てしまうし身体が左右に傾く原因にもなりますのでぜひやめてください。整体でねじれをとってから脚を組む癖を一ヵ月やめると今度は違和感を感じて脚を組めなくなります。脚を組みたくなるのはねじれて骨盤が傾いているからです。

 

 

リペアで行っているストレートネック矯正方法

最近は顔にタオルはかぶせていません。古い写真で申し訳ございません
最近は顔にタオルはかぶせていません。古い写真で申し訳ございません

 

上記で自力で改善することは難しいと書きましたが、首の矯正というのは整体師でもちゃんとできる人はせいぜい2割程度で整体でも難易度が高いのです。なのでストレートネック矯正を行っているところよりも骨盤矯正を行っている整体院の方がはるかに多いです(比較的安全ですし)。

 

よく整体というと首を捩じってボキボキと鳴らす(アジャストやスラストと言います)イメージをする方がいらっしゃいます。が、これはリスクが高いので当院では頚椎に関してボキボキは行っていません。

 

あのボキボキが好きでやってほしい、という方もたまにいらっしゃいますが私もアジャストを初めて受けた時に2週間首を痛めた経験があるので安心安全な方策をとっています。どんなに技術力の高い施術者が行っても受け手側が緊張をしていたりすると首は危ないです。(頚椎で一番下の7番に関しては肩甲骨上部を剥がすアジャストをかけることは状況によってあります)

 

そもそも頚椎アジャストの目的は固くなった頚椎に動きをつけてあげることなので、瞬間的に圧をかけずともゆっくり左右に動かすことでもほぼ同じ効果をもたせることができます。頚椎の1~7番までがスムーズに動くようになると首は劇的に軽くなります。

 

また頚椎が前後にズレてしまっているケースに関しては牽引法を同時につかっていきます。頚椎を引っ張ることでズレの部分がゆっくりと元に戻ります。※このズレに関してはそれなりに回数がかかります

 

 

背中に極端に丸み(猫背)がある方に関しては背骨の矯正を行うことで頭と首が前に出づらくなります。多くの院で行う肩甲骨はがしも効果的ではあるのですが、丸みを帯びた背骨は伸ばされている状態にありますので、まわりの筋肉のコリをとったあとに背骨の伸びている部分を締めることで丸みが減ります。

 

この背骨を締める方法として当院では山本操法の中の猫背操法を使いますがまず他院では見かけない技法です。近いところで言うとモーションパルペーションというカイロの技術がイメージ的に似てはいますがかなり異なります。腰痛があると出来ない操法なので先に骨盤などの矯正を行ってから行います。

 

糖尿病などで膵臓が弱っている方もインナーマッスルが膵臓に引っ張られることで首が前に出たりします。おなかのへその左右の指二本分外側を指先で強めに押してみて左側の方が痛かったら膵臓が疲れ気味です。

 

このようにストレートネックをなおすということでも実際は全身を見る必要が出てきます。

 

少し専門用語も入ってしまいましたので難しい内容となりました。

 

もしあなたが首の痛みなどでお悩みがあればぜひリペアにご相談ください。

 

姿勢矯正専門の整体院リペア 院長