猫背のなおしかた

一口に猫背をなおす、といっても実は猫背の原因は複数個あることが一般的です。

 

脊椎の歪み、内臓(とくに腎臓肝臓)が固い、腹圧(腹腔内圧力)が高い低い、骨盤が前傾後傾、膝や足首の異常・・・挙げていくときりがありません。

 

「猫背」や「姿勢矯正」などで検索頂いてこのブログやホームページをご覧頂いている肩が多いと思いますので、セルフで姿勢を改善する方法をお伝えしていきます。猫背改善のストレッチなどはいろいろなサイトで紹介されてますので、それらとは少し変わった視点でのなおし方です。

 


 

◆腹圧の調整法

特に骨盤後傾で前屈が苦手な方に効果てきめんです。腹圧が適正でなくお腹まわりを触ってみると張っていたり固くなっています。

 

まずは前屈をしてみてどの程度倒れるか確認しましょう。椅子やベッドに座ります。

おへそから指三本分程度外側の両脇(腹直筋の端あたり)に手の人差し指~小指まで4本をあてがいます。ショベルカーのようなイメージです。

手をお腹の中心部にグッと押し込んで、上半身を前方に倒していきます。お腹のあたりに圧迫感やツーンと響く感じが出たらそこで10秒キープします。ゆっくり上半身を起こして手を引き抜きましょう。

成功していたら前屈がやりやすくなっているはずです。患者さんの中にはマイナス26センチから床に指先がついた方もいます。これだけで骨盤の傾きが改善されるケースもあります。


◆足裏の固さを取る

 

身体には筋筋膜経線という筋肉の繋がりのラインが複数存在しており、足裏から背中・後頭部を通って前面のおでこの辺りまでつなぐスーパーフィシャルバックラインという背面の経線があります。足裏を緩めることで、このライン全体が緩んで身体が楽になります。青竹を踏んでもいいですが、おすすめはマッサージボールです。土踏まずのあたりを体重の半分程度かけて少し痛いくらいで5秒我慢します。その後は足裏全体を同じように圧迫していきます。これも前屈が5㎝くらい伸びる方が多いです。


◆肺と横隔膜の拡張

姿勢の悪い方は呼吸が浅いです。逆に肺をしっかり使ってあげると背すじが伸びます。

 

やり方は簡単、深呼吸というやつです。ただし、全力の深呼吸です。胸式(胸が膨らむ)と腹式(お腹が膨らむ)がありますが、今回は胸式で行います。

 

足を肩幅程度に開いて立ちましょう。まずは肺の中が空になるまでゆっくり息を吐き切りましょう。次は肺がしっかり膨らむことをイメージしながら、腕を広げて、えずくギリギリまで息を吸い込みます。またゆっくり息を吐き切りましょう。慣れるまでは吐いて吸ってを5回くらいで十分です。最初は立ちくらみなどを起こす方もいますので近くに手すりなどがあるといいでしょう。慣れてきたら10回やります。更に慣れたら胸もお腹も膨らむ複合式でやると更に効果が高いです。過去の患者さんの例では呼吸の前後で1割程度握力が上がったデータもあります。


ここで紹介した方法も残念ながら効果は一時的で、大体72時間もすると以前の状態に戻ろうとする力が働いてきます。継続して行うことで身体にその状態が馴染みます。本当の効果となるまで一ヶ月程度は頑張りましょう。